歩み続ければ
新side
「おにぃちゃん」

「どうした?」

「里香、可愛い?」

「可愛いぞぉ! だってこの俺の妹だぞ!」

「ヤッタ!」

きらきら光っている里香

今日は前いけなかったカラオケに向かう途中

家出る寸前「里香も行きたい」っていうもんだから..連れてきてしまった....

里香はもう準備満タン
あんなに楽しみにしている妹の目の前では「ダメ」とは言えない..

里香の格好は最近母さんに買ってもらった桃色のワンピース

そして大事そうに抱えているひよこの鞄

中..何も入ってないな絶対

頭の上にはリボンのカチューシャ

我ながら可愛いと思う

里香はスキップなんかして意気揚々としている

「カラオッケ、カラオッケ!まだかな~♪」

「もう少しだぞ......ホラ」

目の前には数日前までいけなかった近所のカラオケ

って、まだ誰もきてねぇじゃん

「おにぃちゃん...柚ちゃんは...?」

「まだみたいだな..」

「じゃあ、待つっ!!」

そういい、じっと待っていた

すると遠くから人影があった

「っあ」

最初に気づいたのは里香だった

「柚ちゃん!」

そういい、駆け寄るが...しだいに里香のスピードは遅くなっていった

「っよ、里香」

前にいたのは蓮だった

なんだよ、アイツ...何気シャレてんじゃん

っま、俺の方が百万倍もいいけどー!

「...蓮にぃ..」

柚の期待はずれの顔

「..っぶ」

「な、なんだよ、新」

「だって、お前里香に期待はずれの顔されてやがるんだもん、おかしくてっ!」

「そ、そんなことねぇよ、な?里香」

「....」

「...お、おい里香」

「蓮にぃ久しぶりっ!」




< 57 / 58 >

この作品をシェア

pagetop