歩み続ければ
蓮side
―――っい

―――っおい...!

「っん!? あ、ぁあ」
そう、今ここは俺の好きな屋上でもなく
かといって新の部屋でもない

1番眠くなる時間の斉藤Tの国語の授業

「おいっ、蓮!」
隣では新があわてたような顔してこっちを見ていた

「どうした?」
俺がそう尋ねると、新は彼女の方を指指した
彼女は..


新の初恋の相手

なんでも新は先輩にからまれている柚を助けたんだっけ
ヒーローみたいで男の俺もカッコいいなって思った

「柚がどうしたんだよ」
授業中にもかかわらずクラスでは寝ている奴もいるし
化粧やゲームをしているやつもいた
ほんっとこのクラスって自由だよな
不意にもそんな風に思ってしまう

「あのな、最近柚..俺につめたんだよな..」
なんでも、新が柚を先輩から助けた日から
話す事もなければ目を合わせることもなくなったそうだ

普通助けてもらった身分なんだからそんなことするのかと
俺はなぜか腹がたった
まあ、柚にも何かあったのであろう

それに最近遥も妙におとなしく最近はあまり一緒に
帰ってない

「俺やっぱ...柚のこと助けなかった方よかったのか?
 アイツにとっては迷惑だったのかな..」
新の気持ちも分からなくはない
好きな奴の態度が急変したらまずは自分をせめてしまう

「あんま、気にするなって」
あぁ、こういうとき遥だったらいいアドバイスができたろうに
俺は今になって国語力ないことに後悔をしていた

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