ふたつ星
「翔さんは私を助けてくれたんです。きっと、昔の翔さんなら助けなかったと思います。いじめる側だったから……でも、助けてくれたんです。わかってくれますよね?翔さんは変わったんです。あなたの死をきっかけに……」
一呼吸置くと私は一気に言葉を続けた。
「絶望しかない世界に翔さんが光を射してくれたんです。翔さんと出会って私の世界は輝きました。優しくて眩しい翔さんに恋をしました。今の翔さんはあなたのことの経験で変わりました。もう、あの頃の翔さんじゃないんです。どうか私達を許して下さい」
そして深く頭を下げた。
横にいた翔さんも私に倣ってもっと深く頭を下げた。
びしょ濡れになりながら……。
その時、雨が小ぶりになり晴れ間が覗いた。
「翔さん!これって小林さんが許してくれたってことですよね!」
私ははしゃいで翔さんの腕を引っ張る。