ふたつ星
家の中に入るとホットミルクを用意してくれた。
ソファーに体育座りをして、それを少しずつ飲むと体も温まる。
「このホットミルク、甘いですね」
「蜂蜜が入ってるからな」
そして翔さんは蜂蜜にはリラックス効果があると教えてくれた。
今まで住んでいた家を出て、新しいこの家で暮らす私が不安にならないようにと。
「今日は遅いし、もう寝ろ」
気付けば時計が示すのは午前2時。
でも、私はまだ眠りたくなかった。
もう少し翔さんの顔を見ていたい。
「まだ、寝たくないです」
私は初めて翔さんにわがままを言った。