ふたつ星


家の中に入るとホットミルクを用意してくれた。



ソファーに体育座りをして、それを少しずつ飲むと体も温まる。




「このホットミルク、甘いですね」



「蜂蜜が入ってるからな」




そして翔さんは蜂蜜にはリラックス効果があると教えてくれた。



今まで住んでいた家を出て、新しいこの家で暮らす私が不安にならないようにと。




「今日は遅いし、もう寝ろ」



気付けば時計が示すのは午前2時。



でも、私はまだ眠りたくなかった。



もう少し翔さんの顔を見ていたい。




「まだ、寝たくないです」




私は初めて翔さんにわがままを言った。



< 45 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop