きゅーぴっど②
「あのときは緊急事態だったからな
他の人間にも見えるように、人間に変身したんだよ」
残念ながら見た目は変わんないけど、
そう言う正樹にあたしは「へぇ~、天使ってすごいのね」と感心していると、
「まぁ、人間に変身出来るのは
数いる天使の中でも俺だけだけどな」
正樹は小さな声で言った。
あまりにか細い声が正樹から発せられたので、
あたしはその様子に何故か
聞いてはいけないことを聞いてしまったような、そんな気持ちになった。
話を逸らそうとあたしが口を開こうとしたとき
あたしの携帯のメールの着信音が鳴った。
「あ、指原さんだ…」
指原さんは、あたしが声をかけて昨日一緒に遊んだ人だ。
祐太郎のことが強烈すぎて、頭から記憶がぬけてしまっていた。
メールには《昨日は楽しかったね、また今度遊ばない?》
という内容だった。