きゅーぴっど②
「その指原っていう奴とはどうだ?」
指原さんからのメールの返信をしていると、
正樹が横から言ってきた。
「え、いきなり?」
「別にお前が声をかけたんだから、悪い気はしないだろ」
「…でも、そんなあっさりでいいの?」
また目移りしてしまうかもしれない、と思うと
少し遠慮がちになってしまうあたしに
正樹ははぁ、と溜め息をついた。
「今まで散々浮気してきたやつがなにうじうじしてんだ。
大切なのは一つ一つの出会いを大事にすることなんだからよ」
そう言って真剣な目を向ける正樹に
あたしは「いいこというなぁ」と思い
「わかった。指原さんいい人だし…頑張ってみる」
そう言って気合いをいれるあたしに
「頑張ってやるもんじゃないだろ」と正樹がケラケラ笑い
それに「確かに」とあたしも笑った。