アタシの人生に華が咲く
店に突っ立っていた私に、電話を切ったばあちゃんが気づいた。
『……どうしたの』
ただならぬ空気を感じた私は声を震わせ、ばあちゃんに問いかけた。
『おかえり、小巻。あのね、じいちゃんがね……突然倒れてそのまま死んでしまったんよ……』
そう言って背中を小さく丸め、泣き崩れるばあちゃん。
状況がのみ込めない。ただばあちゃんから聞いた“じいちゃんの死”
そのことばだけで、私の頭から足のつま先まで一気に血の気がひいていく。
意思より先に体が動いた。激しく泣くばあちゃんに急いでかけより、強く抱きしめて背中をさすった。
じいちゃんは脳の病気だった。
突然倒れてすぐに、近所の人達がかけつけて病院へ付き添ってくれたそうだが、運ばれてから、しばらくして死亡が確認されたとか。
それからというもの、店は休んだまま、ついには、ばあちゃんも寝込んでしまい、間もなくして、じいちゃんの後を追うように逝ってしまった―――――――。