アタシの人生に華が咲く



 その後の葬式でウチに集まった数少ない親戚のおじさん、おばさんたちが居間で会話をしている。



『駄菓子屋なんて大した儲けもあるわけじゃないし、店じまいして土地を売りにだそうかねぇ』



『店を閉めるはいいとして、店の奥にあるこの居住スペースもあるじゃないか、まるごと売りに出したら小巻ちゃんはどうするんだ?』



『そんなこと言ったって、この家もだいぶ古いわよ?取り壊して売った方がいいじゃない』



『そうよ、売ったお金で小巻ちゃんのアパート代にでもしてあげればいいわ』



 さっきから話を聞いていれば、どうやら私を引き取ってくれるとかそういう案はないようだった。



まぁ、親戚のひとたちも、長年じいちゃんたちをほったらかして、全く付き合いもなかったわけだ。



 そこに突然、高校生の私を引き取るなんて面倒くさいし、それに高校生なら自立できる。



 そんなおじさんたちの会話を背に、私は居間から一歩出て、シャッターの閉まった店内を見渡した。



 毎日休まず使い続けた、鯛焼きの器具。



ばあちゃん自ら選んで仕入れた駄菓子たち。



 私は正直この駄菓子屋が無くなるとか住むところが無くなるとか、どうでもよかった。



 でも思い出した。小さいころにじいちゃん達が話していたこと。






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