スイートルームの許婚
由可奈は眼鏡を外して、テーブルに近づく。



俺が食事を並べる脇から、自分で椅子を引いて座る。



「椅子位引いてよね…サービス足りないわよー。愛斗」


「申し訳ありません…お嬢様」



「まるで私の執事みたい…」



「執事に似たトコはありますけど」



俺は料理を並び終えて、由可奈の後ろに控える。



相変わらず…可愛くない…

やっぱり、由可奈は可愛くない女なのか?

幼い時のあの可愛い由可奈は幻だったってコトか?


「コンシェルジュって…お客様のどんなご要望にも応えてくれるのよね」











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