スイートルームの許婚
「俺が許婚を断ったのは、当時の自分にはそれだけの器がないと思ったからだ。お前と結婚すれば、俺は玉の輿に乗れる。でも、同時に、計り知れない大きなプレッシャーを背負うコトになる。俺はそのプレッシャーに負けない為に、この8年頑張った…。互いにキモチが通じ合ったワケじゃないけど。俺はお前を愛していた。お前はあの当時…中学生だったから・・・ロリコンと言われても仕方ないけど…」




「愛斗…!?」



急に愛斗が心を開き始めた。



嫌いで、許婚を解消されたんだと思ってたのに…その逆。
愛斗は真剣に、私との将来を考えていた。




「・・・俺は龍咲社長に呼ばれてアメリカから日本に戻った…。暗黙の了解でお前との許婚は復活するはずだった。なのに、奥様は俺の家柄と龍咲家では合わないと言って猛反対。俺はどうしていいのかわからなくて…そんなの俺の心の隙間に藤沢さんが入ってきた」



「・・・」






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