スイートルームの許婚
俺は由可奈を全身に感じた。



「これ…やるよ」


「えっ!?」


俺は由可奈に上着の襟元に付けていたレ・クレドールの会員の証の金の鍵バッチを一つ、渡した。


「エンゲージリングの代わりだ」


「・・・ありがとう~」


「お前の心の鍵穴を開けたのは俺だ…」


「愛斗…」


名残惜しく、甘いキスを交わす。


二人で布団に潜り戯れ合う。


「捕まえた…」


俺は由可奈を腕の中に抱き締める。


このまま、二人で駆け落ちしちゃえば、いいのに。


茨の道を選ぶ俺は、愚かな男だ。





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