スイートルームの許婚
「由可奈!!!」



「勝手に呼び捨てないで!」


俺のそばに由可奈が立っていた。


「お、お前…!?勝手にいなくなるな!!心配するだろ!!!」


俺は声を大きくして、由可奈を叱責する。



「・・・もうすぐ、帰るし…海岸で花火しようと思っただけよ…」



由可奈の両手には白い袋に入った大量の花火。



「一人で花火?」



「悪い?」



「一言…俺に言えば…付き合ってやったのに」



「喧嘩した後だし…」
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