手を伸ばせば、届く距離まで。



「そんなに卑怯だとはな」



―――あれ。…この声。


「…く、久野!?」


クラスも違うのに、何でここにいるんだよ!?


久野はこちらをチラリと見て、また真樹に目を合わせた。


「本を返しに来ただけだ」


ガキみたいだ。


しかし言う通り、久野は俺が貸した本を手に持っていた。


「お前も圭も、選んだのが同じ恋で、衝突しただけだろ」



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