手を伸ばせば、届く距離まで。



久野は、いつも自分の理屈で言ってくるから。


そして悔しいくらい、妥当だから。


「…良いよ。まずは、朝飯買っても?」


久野がいないと本当だめだな、俺。


「分かった」


ずっと、今まで


久野の言葉と行動が、俺の背中を押してくれた。


だから俺…告白出来たんだっけ。


なのに―――


俺、真樹が大事だと言ったんだ。


久野が怒るのも当たり前じゃないかよ。



< 229 / 557 >

この作品をシェア

pagetop