手を伸ばせば、届く距離まで。



「あ、あのさ。圭」


ちょ…


どうか休憩をください、華織さんよォ…


そんなことも言えるワケもなく、皿洗いに戻りながら


「何?」


と答えるのが限界だった。


華織は、キュと唇を結び、やがてこんなことを言う。




「『ユー・ラヴ・アイ』って…一緒に言わない?」




―――え?


『ユー・ラブ・アイ』?



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