生まれ変わってもキミが好き【完結】
「ちょっと顔かせや」
そんなヤンキー上等なセリフを言って、芽衣子が歩き出す。
あたし、リンチでもされるのか?
元親友に?
なんて、どきどきしながらあたしも後を追う。
芽衣子、背が伸びたなあ。
ヒールの高い、かっこいい靴を履いて、颯爽と歩くそのうしろ姿に、
感動と少しの寂しさを覚える。
本当に、芽衣子も28才なんだね。
置いてかれちゃったなぁ。
「今日、日下に会った?」
「えっ」
前を向いたまま、芽衣子がそう聞いてきた。
なんで、そんなこと聞くんだろ。
「会いましたけど……」
「怒られただろ」
「まあ、ちょっと」
あたしが渋々答えると、芽衣子は意外そうに眉をあげて、あたしを見た。
「ちょっと? ちょっとしか怒られなかったって?」
「はあ……」
嘘はついてないよね。
ちゃんと謝ったら、それについてはすぐ許してもらえたし。