生まれ変わってもキミが好き【完結】
「嘘だろ? 昨日あんたがいなくなってあいつ、相当怒ってたんだぜ。鬼みたいな顔してさ」
日下先生が鬼みたいな顔……。
今日確かに先生は怒っていたけど、落ち着いてる感じで、そこまで激しく怒ってるとは思えなかったんだけどな。
それよりもそのあとの、疑ってかかってくる先生の方が、怖かった。
「あいつが他人のことであんなに感情露わにすんの、久しぶりに見たよ」
遠くの方を見ながら、芽衣子が呟く。
なんとなく、引っかかる。
芽衣子は『るいち』と、そんなに仲が良いわけじゃなかった。
あたしがいないと、2人で話すことなんて、まずなかったし。
だから同窓会で一緒に飲むようになってるなんて、驚いたんだ。
あたしが死んでから、2人の関係も少し、変わったのかな。
中学を卒業してからも、芽衣子は『るいち』のことを、ずっと見てきたのかな。
近くで、
かつてあたしがいた場所で。
それは少し、ほんの少し、
ずるいと思ってしまった。
ずるくなんて、ないのにね。
羨ましくて、たまらないよ。