生まれ変わってもキミが好き【完結】


「おまえが、『柏木リン』なんじゃないかって、感じ始めてんじゃねーかなって」


「な、なんでそう思うの? あたし、気をつけてるよ?」


「焦んなよ。なんとなくそう思っただけ。なんつーか、日下がらしくなくしつこく聞いてくるってのが、引っかかってさ……」




呟いて、ごくりとコーヒーを飲む芽衣子。


あたしは黙って、続く言葉を待った。

ぎゅっと握った手の内側に、汗がにじむ。




「昔から、あいつが必死になんのって、リンのことしかねーからさ。だから、なんとなくそう思ったんだ」




そう苦笑いする芽衣子。


あたしは笑えなくて、きゅっと自分の唇を噛んだ。



芽衣子には、これまでのことを色々聞いた。


あたしが死んだあと、『るいち』がサッカー部を辞めて、あまり学校に行かなくなったこと。

高校も、『るいち』にしては随分レベルの低いところに入って。


そこでも学校はサボリがちで、良くない連中と付き合うようになったらしいこと。

< 201 / 372 >

この作品をシェア

pagetop