生まれ変わってもキミが好き【完結】


「やだ。どうして凛ちゃんが謝るの? あの時の琉一の様子がおかしかったから、気になってただけなのよ」




そう言いながらため息をつく皐月さん。


見ていられなかった。



どれだけ日下先生を想っているか、伝わってきて。

彼女にとって、あたしの存在は悪いものでしかないって自覚させられて。




「あの日はね、琉一にとって、特別な日だったのよ」


「特別……?」


「そう。大切な人が、亡くなった日」




ぎくりとした。

あたしの命日だってこと、皐月さんは知ってたんだ。




「琉一には幼なじみがいたの。あなたと同じ、『リン』て名前の子。
琉一はいまでもその幼なじみを、大切に想ってる。……大好きだったのよ」


「大好きって……。日下先生が、そう言ったんですか?」


「いいえ。琉一は1度も言ったことはないわ。でもわかる。
出会った頃は、その子の死を受け入れられずに苦しんでいた。周りから、人が変わったようだって言われるくらいにね」




それは芽衣子からも聞いた。

でもあたしには、その時の『るいち』が想像できない。



だってあたしの存在が、『るいち』にとってそんなに大きなものだったなんて、感じたことがなかったから。

< 328 / 372 >

この作品をシェア

pagetop