生まれ変わってもキミが好き【完結】
静まれ、心臓!
落ちつけ、あたし!
日下先生の笑顔にドキドキするのは、『柏木リン』の記憶があるからで。
あたし自身が彼にときめいているわけじゃない。
断じてないっ。
日下先生の授業は、静かで、丁寧だった。
教科書を読みあげる、低い声。
黒板に書きこむ、うしろ姿。
『るいち』と似た、けれど全然ちがう、大人の男の人。
彼じゃなければいい。
彼であってほしい。
同時に正反対の気持ちが生まれて、せめぎあって、すごく疲れた。
このままじゃ、いられない。
確かめよう。
授業中にそう決心したら、
「小鳥遊」
終了の号令のあと、日下先生に呼ばれた。
まさか声をかけられるとは思ってなくて、慌てて立ち上がる。
どきどきどき……
だから、静まれ心臓!