生まれ変わってもキミが好き【完結】
「なにやってんの? 凛」
「清春……」
「プリント届けるだけなのに、全然帰ってこないから。
またどっかで倒れてんのかと思った」
言われて、日下先生の腕の時計をちらっと見たら、
もう昼休みが終わる時間になっててびっくりした。
いつの間に、こんなに経ってたんだろ。
「ごめん。大丈夫だよ。ちょと、る……日下先生と、世間話してただけ」
「そ。次移動教室だから、もう行かないと」
「そりゃ悪かった。小鳥遊、プリントありがとうな。急いで戻れよ」
日下先生は、プリントを受け取って、あたしを上へうながす。
まだ、話したかったのに。
いま、伝えたかったのに。
「ん? どうした?」
たぶん、あたしがすごく、物言いたげな顔をしてたんだろう。
日下先生は微かに首を傾げて、あたしの言葉を、待ってくれる。
優しくなったね。
昔は、あんなにイジワルだったのに。
それとも、相手が『柏木リン』じゃないから、そんなに優しいの?