恋しても、愛しても、夢は見ないから
足は自然とあの公園に向かっていた。
心の中でため息が漏れる。
…何やってんだか。。。
噴水の縁に座り煙草を吸う。
…”寂しい”と泣いた彼女が
泣かずにいられる場所ができたなら、それでいい。
煙草の煙りは息の白さと
区別がつかないくらい空に広がっていった。
『……優一さん?』
急に横から声をかけられ、
その聞き覚えのある声に
幻を見ているかのように息をするのも忘れていた。