私と彼の一週間
颯人の言うことはわかる。
泣いてる私を見て、それしか思い浮かばないと思う。
それが、一番手っ取り早い方法なのもわかってる。
この恐怖から逃れられることもわかってる。
きっと、親に相談したとしてもそういうと思う。
でも・・・どうしても解約だけはしたくない。
もう、何十年も使ってる携帯電話。
今更手放せなんて・・・できない。




「・・・・じゃぁ、その着信してきてる奴を突き止めて、やめてもらおう」






「・・・そんなこと・・出来るの?」




携帯会社に持って行っても、どこから着信がきてるのかわからなかった。
それなのに、着信してきてる奴を探す・・・・なんて出来るのだろうか。



「簡単だよ。
・・・・ただ、それをするには鈴ちゃんの勇気が必要だけどね」




「・・・・勇気・・・・?」




「そう。
鈴ちゃん、俺を信じて?
必ず、解決してみせるから」




・・・・・不思議と本当に解決してしまうのではないか。

そんな気がした。
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