私と彼の一週間

会社の上司

「・・・三滝か・・・・?」




「・・・はい。
あなたは・・・誰なんですか?
どうして私の名前や電話番号を・・・・」



「・・・・お前の会社の上司だから」




・・・・・会社の・・・・上司・・・・?




「最近、会社に来てないだろう」




・・・私が会社に行かなくなったのは最近の話。
電話がかかり始める前は、ずっと仕事に行ってた。
それに、上司なら私が長期休暇を取ってることは知ってるはず。




「・・・もし、あなたが上司なら私がどうして会社に行かないのか知ってるはずです」




「・・・あぁ、そうだな。
何故、長期休暇を取ったんだ?今まで一度も休んだことはなかったじゃないか」





・・・・確かに、私は今まで会社から指定された日以外で休んだことはない。
親の所に行くわけでもなく、旅行だって行かない。
でも、この人からの電話はずっと前からのもの。
どう考えてもおかしい。




「・・・本当は誰なんですか?」





「本当は誰って・・・・三滝は自分の会社の上司も知らないのか」




「私と親しい上司なんかいませんっ!」



もし、この人が上司なら。
私は、相当失礼なことを言ってる。
この人が会社にバラせば、私はクビに間違いない。
それでも、私は会社に親しい人はいない。
記憶上、そんな人は存在しない。
相手はしばらく黙りこんだ。


・・・・やっぱり・・・本当の上司じゃない・・・?
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