私と彼の一週間
「断るって言ったのにっ!」




「だって、鈴ちゃんのこと心配だも~ん」



結局、颯人もついてきた。
待ち合わせの時間まであと10分。
それまでに心を落ち着かせないと・・・・・。
どうやったら落ち着かせられるかな・・・・。
やっぱり深呼吸?
あ、確か“人”って字を手に書いて飲むと緊張しなくなるとか・・・・。




「・・・鈴ちゃん、何やってんの」




「え・・・・・」




振り返ると、何か奇妙な物を見ているかのような目で私を見ている颯人が。




「何って・・・・緊張をほぐすために・・・・」




「緊張してるんだ?」





にやにやと笑う颯人。

っ・・・・ここで“緊張してる”なんて言ったら、何を言われるか・・・・。




「しっ・・・してない」




「ふーん・・・・。
落ち着ける方法教えてあげようか?
効果大だよ」




「本当!?」




「うん~」


颯人は、ちょいちょいと手招きした。

・・・・?
大きな声では言えないような方法なのかな・・・・?
颯人の傍に近寄る。

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