ホストーカー 【完】



「一旦目閉じてみろ。」



いきなり伸にそう言われ、不思議に思いながらも目を閉じる。



「今お前の目の前には美麗ちゃんが居ます。」



その伸の言葉に操られるかの様に、真っ暗闇の中にポツンと美麗ちゃんが現れる。



「美麗ちゃーーーーん!会いたかったよ!元気にしてた!?あ、今もしかして俺の事考えてたでしょ!?」



心の中の声が完全に漏れているが、俺は口に出して居る事に気付かない。


美麗ちゃんに駆け寄る俺、あと少しで美麗ちゃ……


「あ、美麗ちゃんがこっち向いて微笑んだ!!」


「あっ、麗羅さんお久しぶりです。あの時以来ですね。そう言えば紹介したい人が居るんです。」



伸が美麗ちゃんの声をアフレコする。

似ても似つかない声だが麗羅は完全に伸に操られていた。



「うわあああもしかして急展開!?俺と会えなかった間に俺の重要さに気付いて美麗ちゃんの親族に俺を紹介しちゃうの!?しちゃう感じなの!?」



えと、美麗さんを俺に下さい!!


うーん、微妙だなあ…。


美麗ちゃんの全て何もかも髪一本残らず俺に下さい!!


よし、これだ!!


挨拶の言葉を決めた瞬間、この急展開に更なる急展開が起こる。


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