ホストーカー 【完】
「ねぇねぇ、アイツなんか今日おかしくね?」
そう言われてしまう程、今日はいつも以上に私は上の空だったらしい。
確かに、教室内で繰り広げられる、愚痴大会も一言も耳に入って来なかったし、
いつもなら簡単に避けれるのに、ギャルパンダの大根足に引っかかり転んでしまった。
「…怖すぎ…」
そして終いには、午後の授業の時には私を恐れて皆が私に何かしてくることは一切なかった。
そして、運命の放課後、
コウさんが言った通り、6時きっかり、校舎の前には一台の高級車が止まっていた。
教室からずっと、車が来るのを待っていた私は胸が高鳴るのを抑えながら、校庭を駆け抜けた。