ホストーカー 【完】






それは一見、何も変わらない朝



美麗ちゃんよりも、遅く寝た俺の方が早く起きた。


暫く、美麗ちゃんを見つめて居るとその視線のせいか寝返りを打って伸びをすると気持ち良さそうに目を開けた。


そして、俺を見て昨日のことを思い出したのかすぐ背中を俺に向けた。



「おはよう、美麗ちゃん。」


返事は相変わらず返ってこない。

いつもだったら声をかけただけで満足するのに、何故か今日はイライラした。



「おはようでしょ?」


強く言うと、小さな声で


「おは、よう。」


と、途切れ途切れで言葉が返って来た。



「ねえ美麗ちゃん、俺良い事思い付いたんだ。」


「…な、に?」


恐る恐る美麗ちゃんは俺に尋ねた。



「美麗ちゃんが外に出たら男達の視界に入っちゃうでしょ。」



「…」



「もし、美麗ちゃんがタイプの人と出会って恋に落ちて誰かのモノになったら俺どうしたら良いかわからない。」



「…」


「だからね、美麗ちゃん。」



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