ホストーカー 【完】
用事を終わらせて、俺はすぐに家に帰った。
美麗ちゃんの待つ部屋の施錠を解く。
「ただいま、寂しかった?」
美麗ちゃんから返事は返ってこない。
どうやらまた眠っている様だった。
美麗ちゃんの顔を見ると、残る涙の跡。
きっと泣き疲れて眠ってしまったんだろう。
「ごめんね…」
俺は美麗ちゃんの知らないところで勝手に謝って、罪悪感を少しでも減らす。
美麗ちゃんのぶんのご飯を作って、ちゃんと朝昼晩、ご飯を与えた。
眠るときは添い寝して、夜に仕事に出て、昼に用事が無い時は一日中美麗ちゃんと部屋の中で過ごした。
そんな生活は、1日、2日とどんどんと過ぎていった。
そして、美麗ちゃんは前よりも、言葉を発しなくなった。
というか、もう何日も美麗ちゃんの綺麗な声を聞いていない。
ご飯もちゃんと取っているはずなのに、前よりも痩せ細って見えた。
そして美麗ちゃんから笑顔が消えた。