ホストーカー 【完】



「怖がらせちゃってごめんね。」


「えっ…と…」


「お願いだから嫌いにならないで。」



また、満面の笑みでベタベタしてくるのかと思ったら何時もとはまるで違う。


真剣な表情と音色で言った。

何時もと同じなのは、痛いくらいに抱き締めてくる大きな腕だけだった。



「お願いだから、俺から離れて行かないで…」



やはり、何時もとは違ってその大きな腕を振り払え無かった。



「お願いだから…」


「わかったから、もうそんな顔しないで。麗羅がそんな顔してるとこっちが調子狂うのよ。」



「笑いなさいよ。」


麗羅は態とらしくニターッと笑顔を浮かべた。



「ほら変態さっさと離れなさいっ!」


「えぇ~っ、じゃあもう一回麗羅って言って?」



クイッと顔を傾けておねだりする麗羅が何時もより10割増し可愛く見えて。



「麗羅、離れなさいよ。」

つい、言ってしまった。



「美麗ちゃん大好きっ!俺の天使っ!」



結局その後、私を離す事なんて一度も無かったんだ。



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