小さな願い
「今日帰れる?」
「わり、今日は無理
どうしても早く行かなきゃいけねぇから」
バイトを始めて今日が初めて美咲と
帰れない日だった
何度も謝る俺に美咲は笑顔で気にしないで
って言ってくれた
「ちわ~っす」
「亮、悪いな
彼女さん大丈夫だったか?」
話しかけてきたのは例の知り合いの
浦田
「許してくれたんで大丈夫っす」
年上だしここでは先輩だから一応
敬語は使っていた
本人は気にするなって言ってたけどな
「お疲れ
もう帰っていいぞ~」
「お疲れさまでした」
バイトが終わって
制服に着替えて携帯を見ると着信があった
それは美咲からだった