とある夢追人の物語

練習が始まる度に逃げ出して、周りを困らせた。


大きなコンプレックスになってしまった。


でも、担任の先生は熱心に向き合ってくれた。


何があったか聞いてくれて
励ましてくれて

練習の度に舞台袖にまできて一緒にセリフを言ってくれた。


個人的な演技指導をしてくれた。


本番、先生が私から立ってみえる舞台袖の所にたって一緒にやってくれたから怖くなかった。


あくまでも"学習発表会"
女優になりたくて、舞台で演技をしている人たちではない事くらい知ってる。


それでも、「なに本気でやってんだよ」って言われた事が自分の中でずっと響いていた。


他の人にだって言えばいいのに、何故私？おかしいじゃん。


今もそう思う。


悔しかった。
こんなレベルしかいないのかって。


その事がきっかけで、私は そう言う勉強をしにいける有名なレッスンスタジオへ通う。


そこには演技をしていても笑う奴なんていないって思った。


みんなが同じ立場だと思っていた。


最初の夢の一歩に踏み出そうとしていた。