二股?ガール -モテ期到来-



「へぇ、兎はストレートが弱いんだな?」

挑発するような勢いで蒼空が耳元で囁く。


「~~っ!?」

すかさず耳を手で覆う。

何と言うか……むず痒(かゆ)い、そして恥ずかしい!!


「あたし、邪魔かしら?」

「……そう言いつつ、動こうとしねぇよな?空気読めよ。」


「麗奈ちゃんはいないと……ダメ。」


今、麗奈ちゃんが帰っちゃったら蒼空とうまく話せない。

きっと今顔が真っ赤だろうし……。


「……だって?蒼空残念ね。」

「ま、オレの歯止めが訊かなくなるからいた方がいいかもな。」

「てか、あんた部活は?」

「今日、休み」


「瀬名先輩、遅いなぁ……。」



窓の方を眺めるとグラウンドでは部活動の人たちが練習を始めていた。

蒼空はないんだ、今日。

ま、私は何にも入ってないけど。




………とりあえず、

瀬名先輩早く来て~……。


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