二股?ガール -モテ期到来-
「ははっ、オレもこんな事言ったことない。兎ちゃんが初めてだよ」
「え、そんな!」
私が初めてとか……、
私をこれ以上ドキドキさせないで!!
先輩といるとどうも心臓は平常に活動しません。
誰か助けて下さい!
「そんなに照れないでよ。オレの方が恥ずかしいから」
ははっと笑ってそう言ってるけど……
全然照れてる様には見えません!!
さすが先輩……。
モテるから恥じらいとか何にも無いんだろうな。
一々反応してる私はうざいのかもしれない……。
違った意味でまた恥ずかしくなって俯く。
「とりあえず、オレのオススメのケーキショップについからさ」
そう言われて見上げるととってもオシャレで高そうなケーキショップ。
「すごい綺麗なお店ですね!」
「だろ、ここ本当に美味しいんだよ。さ、さっさと入ろうぜ。」
ん?今……口調がいつもと違ったような?
先輩はそう言って優しく私の手を引いて、お店の中に連れて行ってくれた。
さっきのは気のせい、かな?
とりあえず、先輩の手が暖かくて……
なんだかとっても落ち着きます。
右手に感じる先輩の手のぬくもりに、私は内緒でドキドキしていた。