ルビゴンの河の先
そんなの。
そんなの、頭のいい竹中さんならとっくにわかってるくせに。
―――その瞳。
私を引きつけて離さないのは、その強さ。
そうやって求められたかった。
「好きだからここまで来たんじゃない!私はもう未来には戻れない。…竹中さんに会いたくて、追いかけてきたんです」
震える声でそう告げると、目の前の彼の瞳が変わる。
女の人みたいに美人な顔立ちの中に宿る、獰猛な雰囲気を纏った雄の瞳が私を捉えて。
「そうか」
それだけ言って、私の唇を塞いだ。