ルビゴンの河の先
そのあと、私は女中さん数人がかりで身体中を洗われて見たことのないくらい立派な着物を着付けてもらいさっきまで眠っていた部屋に案内された。
「半兵衛様、あかり様のお支度が整いましてございます」
私の前を歩いていた女中さんがそう声をかけると、半兵衛さんが中から襖を開けてくれる。
私の姿を見てにこりと笑うとまだ少し濡れている髪に手を伸ばした。
「…似合ってる」
「あ、ありがとうございます。って、この着物高いんじゃ」
「気にするな。あかりだって私の服を用意してくれたじゃないか」
そう言うと私の手を引き、座布団の上に座るよう促された。