ルビゴンの河の先





そこまで言って竹中さんは頭を上げた。



「あかりは私に希望をくれた。感謝する」


そして、ふわりと笑ってそう言ってきたのだ。


綺麗な顔は笑顔になったことで一層綺麗になる。
何か言いたかったことがあった気もしたけど、頭の中はパニックで何も思いつかない。真っ白だ。



「―――とりあえずこっち座ってくださいよ!今からご飯作りますから」


私は勢いよく立ち上がり台所に向かった。


…今、心臓が痛いくらい跳ねるのはきっとあんなに綺麗な笑顔をみたからだ。
そうだそうだ、それ以外理由なんてない。


自分にそう言い聞かせて、私は朝食づくりに取りかかるのだった。





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