黒い炎
ふと目を覚ました優弥は、
隣に眠る鈴の姿に驚いていた。


「…えっ?…り、ん?」


ぎゅっと握られた手の温かさと、
隣に眠る愛おしい存在。


湧き上がる感情に涙が溢れた。


ああ、これが…幸福なのかと。


「鈴…ありがとう」


涙を拭い鈴の眠る顔を見つめた。


「ん…ゆうやくん?」

「鈴」


ふふっと笑って擦り寄る鈴を抱きしめる。


神様…どうかこの幸福を永遠に俺たちに
下さい。


優弥は願わずにはいられなかった。

< 206 / 207 >

この作品をシェア

pagetop