竜王様のお気に入り
「それはハクリュウ様が、コハク様に求婚なさったからでございます。
コハク様とコウリュウ様のご関係は、ハクリュウ様も認めて下さっていたはずなのですが。
ハクリュウ様は、コハク様に求婚なさったのです。
ハク様は、大変お心を悩まされました。
愛するお方がいるのに、他の方と婚約するのですものね。
しかし、コハク様が王妃陛下のご身分を賜るのは、とても光栄な事でしたので、私は特に反対は致しませんでした。
婚約した当時ハクリュウ様はまだ、竜王にお成りではなかったのですが、お持ちでいる能力を見れば、次期竜王はハクリュウ様以外に、いらっしゃいませんでしたので。
ところがハクリュウ様は、婚約だけして、ご自身の物をコハク様に分け与える事をしなかったのです。
コハク様にもコウリュウ様にも、ハクリュウ様のお考えは、伝わってはきませんでした。
その頃の天界は荒れておりましたから、その事がコハク様に求婚した理由なのだとは思うのですが。
・・・・・。
当時の王妃陛下が突然の病でお亡くなりになり、先代竜王陛下の生気が足りなくなってしまったため、天界は制御が利かず、荒れていたのです。」

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