竜王様のお気に入り
ヤヨイが目にした光景とは。


琥珀色の柔らかい光を浴びた美しい紅い髪の王弟が、ひざまづきコハクのドレスの裾に口づけを落とす。


何とも幻想的で妖艶なコウリュウの姿であった。


映画のワンシーンを見ているようで、コウリュウの切ない想いが手に取るように伝わってきた。


カタンという微かな音に反応して、コウリュウが顔を上げる。

一瞬、コハクと見間違えたのか…。

驚いて困惑したように見えた。


だが、ヤヨイだと認識するとコウリュウはゆっくりと立ち上がった。


先程までの優しく切ない表情とはうって代わり、たちまち険しい表情になる。


「なぜお前がここに居る?」


コウリュウの問いに、ヤヨイは咄嗟に答えられない。


コウリュウの威圧的な声がそうさせていた。


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