竜王様のお気に入り
コウリュウはヤヨイに問いかけながらも歩みを進め、ヤヨイの側まで来ると腕を掴んで部屋の中へ引き入れた。


コウリュウは近くの壁にヤヨイを追い込み、顔の横に自分の両手を着き、囲うようにして逃げ場をなくす。


そして腰をかがめて、ヤヨイの顔の前に自分の顔の高さを揃えた。


唇が触れあってしまうそうな距離だ。


ヤヨイはたまらず下を向いて唇をかんだ。


「なぜ、ここに居るのかと聞いている。」


「・・・あの・・・すいません・・・。
コハクさんの、柔らかい空気を・・・また・・・感じたくて・・・。」


ヤヨイは押し潰されそうな気持ちを堪えて、下を向いたままやっと答えた。


顔を上げたら、唇が触れてしまいそうだったから。

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