竜王様のお気に入り
「陛下は簡単に仰いますが、そう単純にできるものではありません。
シリュウの事は私が巻いた種です。責任をもって何とか致しましょう。
ですが・・・。
今まで貢がれて来た巫女達は、いかがなさいますか?
今更、人間界には戻せますまい。
それに私の能力ではお恥ずかしながら、竜王の器には程遠いかと存じます。
何より交代など、民達が許しますまい。
竜王は、こうやって、立派にご健在なのです。
変わる理由などございませんよ。
やっぱり新しい巫女を、ひとり占めなさるのかと、あらぬ噂が立ち、また天界を揺るがすような、大惨事にもなり兼ねません。
ここはひとつ、わがままは控えて、天界にお留まり下さい。」


コウリュウも先程までの感情の高ぶりを封印して、理路整然と語るいつもの冷静な参謀の姿に戻った。

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