竜王様のお気に入り
ハクリュウの長い足にかかれば、あんなに遠く感じた廊下も、さほどの距離ではなかった。


二人は行きほどの時間を要さずに、ハクリュウの部屋に戻って来れたのだ。


ハクリュウはその間、ずっとヤヨイを片腕で抱き上げたままだった。


大事なモノを抱えて、今にも鼻歌を歌い出しそうにさえ見える。


こんな嬉しそうに、感情を表に出しているハクリュウはとても珍しく、臣下の者達がその姿を見つけたなら、腰を抜かさんばかりに、驚くことであろう。


ハクリュウはどちらかというと、普段はご機嫌をとるのが難しく、仕える者にとっては厄介な陛下であったのだ。

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