竜王様のお気に入り
ハクリュウがどうしようかと思い悩んでいる最中、またも来訪者が扉を叩いた。


ノックの音を耳にして、ハクリュウの表情は一変した。


それはまさしく、ハクリュウが竜王に戻った瞬間だった。


ヤヨイは、ごくりと息を飲む。


自分の目の前で優雅に椅子に座る優しいハクリュウは今、凛々しく雄々しく美しい、天界の竜王様に他ならなかった。


広間に居た時は、あまりの突然の出来事で実感がなかったのだが。


しかし今ヤヨイは、はっきりと分かる。


この方こそが、天界の竜王様なのだと。


「竜王陛下。
先程の件で、ご報告に参りました。」


「コウリュウか。
丁度よかった・・・入れ。」


竜王はコウリュウを招き入れた。

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