竜王様のお気に入り
「あっ・・・ううん。
なんでもない。
ごめんなさい。」


「そうか?」


伺うように、ハクリュウは優しく声をかける。


「何か思う事があるんなら、遠慮しないで言えよ。」


「はい。」


『私のため?
食事の私に?
・・・・・・・・・・。
深い意味なんて、あるわけないね。』


ヤヨイは自分に言い聞かせ、ハクリュウの次の言葉を待った。


人間のために、頭を悩まし考えを巡らせる。


ヤヨイはどこまでもハクリュウにとって、特別待遇であった。


その事にヤヨイが気付くのは、もう少し後の事になるのだが。

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