アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
絶対美味しいはずのシチューの味もよくわからなかったが、何とか食べ終わる。
たっぷりとフルーツが盛られたお皿を前に一息ついた。
(それにしても、綺麗な顔の人だなあ)
写真で美形だと思っていたが、こうして目の前にすると凄みが増す。
切れ長の瞳とスラっとした鼻筋と薄い唇が完璧に配置されていて、モデルか俳優でもやっていけそうなのに。
声だけなんて勿体無い。
そう言えば前はロン毛だったのにここ数年の髪型は短めだなあ。
ロン毛の頃もサラサラで素敵だったのに、などとぼんやり考えていて、自分の髪が気持ち悪いことを思い出した。
時計を見るとそろそろ日付が変わりそうな時間だ。
ここにきてもう2時間くらい経ってるのかと驚いた。
「お風呂使っていいよ?」
私の気持ちを察したように三神さんがバスルームの場所を指差している。
「あ、はい、いえ、でも……」
我ながら意味がわからない返事をしながら思った。