愛を待つ桜
「1週間だけだから、ね? お願い、悠くん」
この母の『ゆうくん』には弱い。どうやら父も『お願い、聡さん』と名前で呼ばれると、見事KOされるようだ。
「母さんのご指名だぞ。悠、頼りにしてるからな」
9割方、いってらっしゃい、と言い掛けている悠に、父は笑いながら言う。
「判ったよ。でも、ひとつだけ……5人目を作るための旅行じゃないよね?」
悠の言葉に母は赤くなって「もうっ! 悠ったらそんなことばっかり!」と怒り始める。
「いいじゃないか、母さん。悠はどうやら、もうひとり弟か妹が欲しいらしい」
「もう無理です! 来月には41なんですからね」
「まだまだ、31歳でも通るよ、夏海は」
「そんなこと言って……」
父の言葉に母はまんざらでもない表情になる。
(頼む……本当に頼むから、カンベンして下さい)
相変わらずいちゃいちゃする両親を眺めつつ、幸福な時間に思わず顔が綻ぶ悠だった。
~fin~
この母の『ゆうくん』には弱い。どうやら父も『お願い、聡さん』と名前で呼ばれると、見事KOされるようだ。
「母さんのご指名だぞ。悠、頼りにしてるからな」
9割方、いってらっしゃい、と言い掛けている悠に、父は笑いながら言う。
「判ったよ。でも、ひとつだけ……5人目を作るための旅行じゃないよね?」
悠の言葉に母は赤くなって「もうっ! 悠ったらそんなことばっかり!」と怒り始める。
「いいじゃないか、母さん。悠はどうやら、もうひとり弟か妹が欲しいらしい」
「もう無理です! 来月には41なんですからね」
「まだまだ、31歳でも通るよ、夏海は」
「そんなこと言って……」
父の言葉に母はまんざらでもない表情になる。
(頼む……本当に頼むから、カンベンして下さい)
相変わらずいちゃいちゃする両親を眺めつつ、幸福な時間に思わず顔が綻ぶ悠だった。
~fin~
