愛を待つ桜
「あの……ね、何て言ったらいいのか……あなた達に話があるんだけど」
食事も終わりかけた頃、母が言いにくそうに口を開いた。
(まさか!?)
俄かに、悠の胸に既視感《デジャビュ》が浮かび上がる。
「実は……今年で結婚して丸15年になるんだけど。この夏休みに、お父さんがふたりきりで旅行に行こうって言ってくれて。お母さんたち新婚旅行に行ってないのよね。駄目……かな?」
悠はホッとしつつ、ふたりきり、という点に引っ掛かった。
「僕はいいけど……紫は?」
「お兄ちゃんは受験勉強があるからひとりでいいとして、3人とも、静叔母さんのところで預かってくれるって言うんだけれど」
「ゆかり、お兄ちゃんと一緒がいい!」
紫が真っ先に声を上げた。
すると、
「あ、じゃあ、私も家にいるわ。お兄ちゃんが一緒なら平気だし」
桜も言う。
「僕だけ叔母さんの家に行っても仕方ないし……。4人で留守番してるよ。いいよね? 兄さん」
あっさり真も同意した。
食事も終わりかけた頃、母が言いにくそうに口を開いた。
(まさか!?)
俄かに、悠の胸に既視感《デジャビュ》が浮かび上がる。
「実は……今年で結婚して丸15年になるんだけど。この夏休みに、お父さんがふたりきりで旅行に行こうって言ってくれて。お母さんたち新婚旅行に行ってないのよね。駄目……かな?」
悠はホッとしつつ、ふたりきり、という点に引っ掛かった。
「僕はいいけど……紫は?」
「お兄ちゃんは受験勉強があるからひとりでいいとして、3人とも、静叔母さんのところで預かってくれるって言うんだけれど」
「ゆかり、お兄ちゃんと一緒がいい!」
紫が真っ先に声を上げた。
すると、
「あ、じゃあ、私も家にいるわ。お兄ちゃんが一緒なら平気だし」
桜も言う。
「僕だけ叔母さんの家に行っても仕方ないし……。4人で留守番してるよ。いいよね? 兄さん」
あっさり真も同意した。