ランデヴー
キスをして抱き合って、唯一恋人らしく過ごせるひととき。


愛おし過ぎるこの時間。
手放したくなんかない。


それに、このまま何も知らせずにいればわからないこと……私はこの時、そんな卑怯なことを考えていたのだ。



他でもない、大好きな、大切な、陽介に対して。



そして――結果、私は倉橋君と2人で花火を見に行ってしまった。



お互い利害の一致した人と一緒に花火を見る。


ただそれだけのことなのに、こんなにも後ろめたく感じてしまうのは何故だろう。


それはやはり相手が倉橋君だから、なのだろうか。



もちろん、私と倉橋君の間には恋愛感情なんてものはない。


でも陽介がその存在を気にしている彼だからこそ、容易に名前すら出せずにいる。


このことを陽介にちゃんと報告すべきか否か……どうすればいいのか。



そんな悶々とした気持ちを抱えながら出勤した月曜日。


事態は思わぬ方向へと動いていた――。
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