ランデヴー





結局私と倉橋君が花火大会に行ったことは周知の事実となっていて、勤務時間が終わる頃にはもう知らない人はいないんじゃないかと思う所まで来ているようだった。


顔見知りの人なんかは気軽に「付き合ってるの?」なんて聞いて来るから否定できるが、厄介なのは顔すら知らない人達だ。


遠巻きにボソボソと噂されるのは、仕方がないと諦めるより他ない。



なんて軽率なことをしてしまったんだろう、と後悔してもそれは後の祭りで、全てはもう遅いのだから。


私は今日1日で数え切れない程の溜息を、果てしなく漏らしていた。



加えて、今日は月末という締め日だった。


方々からの請求書を待つだけの無駄な時間は、私に嫌なことばかりを考えさせる。



陽介に会いたい……。
2人きりで会いたい……。
会うチャンスが欲しい……。


と、思うのはそんなことばかり。



彼はもう私と2人で会う気はないのだろうか。


もしもそうだったら……私はどうすればいい?


電話とか……しても良いのだろうか。
< 125 / 447 >

この作品をシェア

pagetop